2026年6月19日

買い替え対策!Windows10終了後も『今のパソコン』を無料で安全に使い続ける実証


広島城と高層ビル群
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Windows11にアップデートできないPCは,Windows10がサポート終了になってから1年間,拡張セキュリティ更新 (ESU) プログラムが適用できます。

その期限は2026 年 10 月 13 日です。そのため,それまでに対応方法を決めないといけないことになります。(個人向けは2027年10月12日に延長されました。)

廃棄するのはもったいないのでリユースする方法を考えました。案としては①Linux機として利用する,②ChromeOS FlexをインストールしChromeBookとして使う,③NASとして利用するぐらいです。

さて,今回用意した実証用PCはLet’s note SX2Jです。PANAの名機ですがレガシーBIOSしか利用できない機種になります。SX2の初期バージョンのため,UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が利用できないマザーボードが使われています。

Windows11にバージョンアップする要件は,UEFI対応,TPM 2.0以上,Intel第8世代/Ryzen 2000以降ですから,Windows11は適用できません。

②ChromeOS Flexは,基本的にUEFIモードでの起動・インストールが推奨(必須に近い)されています。現状では動かす方法もあるようですが,将来動かなくなるリスクがあります。

残るは①Linux機か③NASですが,③NASは専用のOSをインストールすれば可能です。しかし,SX2JはノートPCのため内蔵ディスクが小容量(数百GB程度)です。

これではNASとしての効果が期待できませんので,①Linux機にチャレンジすることにしました。

それでは,UEFI非対応(レガシーBIOS)Win10/PCのLinuxリユースについて学習します。

【実証前提条件】
・リユースPC : Let's Note SX2J  UEFI非対応 Win10PC
・Linuxアプリ: Linux Mint を利用





  
   1.はじめに

Windows10が稼働しているPCのBIOSには,レガシー起動とUEFI起動があります。通常,どちらのタイプにも切り替えられるのですが,マザーボードによっては,UEFI起動に切り替えられないものも存在します。

今回リユースの対象としたLet's Note SX2Jもその一つです。このタイプはSX2の初期のタイプでUEFI起動に切り替えることはできません。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が使えないので,ChromeOS Flexへの移行はあきらめました。

また,ノートPCで内蔵ディスク容量も少ないので,NASも実用的でないと判断しました。

残るはLinux化です。Linuxもいろいろあり,Ubuntu,Linux Mint,MX Linux,Zorin OSなどがあります。その中で,初心者向きで日本語フォントが豊富なLinux Mintを選ぶことにしました。

Linux Mintのタイプ(エディション)も,Cinnamon (シナモン) MATE(メイト) Xfce (エックスエフシーイー)とあり,UIがモダンで洗練され,機能が豊富なCinnamon (シナモン)を選択しました。

また,PCへのLinuxインストール方法ですが,当面はLinux体験用USBメモリを作成して,いつでもWindows10に戻れることで実証することにしました。




   2.Linux体験用USBメモリの作成

レガシーBIOSでUEFI非対応の場合,Diskの記憶方式はMBR(Master Boot Record)になります。

古いPCに主に利用され,最大容量は 2TBまでのハードディスクに対応,プライマリパーティション数は4つまで,起動方式は レガシーBIOSという特徴があります。

そのため,LinuxがMBR記憶方式をサポートしていなければなりません。UbuntuやDebian系では大丈夫なようですから,今回は初心者にもっとも人気のある「linux Mint」をインストールしてみたいと思います。

また,当面はWindows10にいつでも戻れるように,Linux体験用USBメモリを作成してデモモードで実証してみます。

それでは,Linux Mint 公式ダウンロードページ からCinnamon (シナモンエディション)のインストールファイル(ISOイメージ)をダウンロードします。

サイトの下の方に,ミラーサイトがあるので日本のサイトからダウンロードして下さい。
因みに「ICSCoE]サイトは, IPAの産業サイバーセキュリティセンター(Industrial Cyber Security Center of Excellence)です。

【ISOイメージの完全性と真正性を確認】

サイトからISOイメージの真正性を確認するように注意が促されています。Windowsパソコンでは確認方法が煩わしいので,「wsl2」をWindowsにインストールしてLinux上でチェックします。

Linux Mint 公式ダウンロードページにある「sha256sum.txt」と「sha256.txt.gpg」のファイルおよびLinux MintのisoイメージをLinux上の任意フォルダにダウンロードします。Windows「wsl2」への格納には「explorer」を使ってください。

①整合性チェック
ローカル ISO ファイルの整合性を確認するには、次のコマンドでその SHA256 和を生成し、それを 「sha256.sum.txt」内の値と比較します。


LINUXコード

sha256sum -b linuxmint-22.3-cinnamon-64bit.iso


②真正性確認
真正性を確認するには、以下の手順に従ってsha256sum.txt.gpgの署名を確認してください。

まずは,次のコマンドでLinux Mintの署名キーをインポートします。


LINUXコード

gpg --keyserver hkp://keys.openpgp.org:80 --recv-key 27DEB15644C6B3CF3BD7D291300F846BA25BAE09


次のコマンドでキーが正しくインポートされたことを確認してください。

LINUXコード

gpg --list-key --with-fingerprint A25BAE09

出力には「27DE B156 44C6 B3CF 3BD7 D291 300F 846B A25B AE09」が含まれ、以下のような形式になります。

pub   rsa4096 2016-06-07 [SC]
      27DE B156 44C6 B3CF 3BD7  D291 300F 846B A25B AE09
uid           [ unknown] Linux Mint ISO Signing Key <root@linuxmint.com>

次のコマンドでsha256sum.txt.gpgの真正性を検証します。

LINUXコード

gpg --verify sha256sum.txt.gpg sha256sum.txt

コマンド出力に、「Good signature」と出力されればOKです。お使いのPCがLinux Mintの署名を信頼しないという警告(WARNING)を表示する場合がありますが,これはこのPCに証明書を登録していないので無視してください。

これで ISOダウンロードファイルが正しいことが証明出来ました。


続いて,Rufus 公式サイトからRufusというブータブルUSB作成ソフトをダウンロードします。
  • Rufusというのは,LinuxのISOイメージファイルをUSBメモリに書き込み、OSインストール用のメディアを作るソフトです。MBR(レガシーBIOS)とGPT(UEFI)の両方のパーティション構成にも対応しています。

このRufusを使って, USBメモリへの書き込みを行います。Rufusを起動し、以下の通り設定してください。
  • デバイス:用意したUSBメモリを選択します。
  • ブートの種類: ダウンロードした Linux Mint の ISOファイルを選択します。この時、保存領域(10GB程度以上)を指定してください。そうしないと、後でLinux Mint起動後に日本語化などの設定が保存されません。ご注意ください。
  • パーティション構成: ここで必ず 「MBR」 を選択してください。※Let's Note SX2JはレガシーBIOSのため、GPTではなくMBRにする必要があります。
  • ターゲットシステム:「BIOS (または UEFI-CSM)」となればOKです。
これで,Linux体験用USBメモリが作成できました。




   3.PCでの起動テスト

作成したLinux体験用USBメモリをUEFI非対応PCに挿し、電源を入れます。

Let's Noteでは,電源投入後すぐに F2キーを連打 してBIOS設定画面に入ります。機種によってBIOSを表示する方法が異なります。

BIOSの「起動」タブでUSBハードディスクメモリを一番上に移動させ、F10キー で保存して終了します。他機種でも大体同じ方法です。要は起動時に作成したLinux体験用USBメモリを一番先に読むように設定します。

これで自動的に Linux Mint が立ち上がります。デスクトップにある「LibreOffice」を触ってみて満足できそうなら、そのままデスクトップ上の「Install Linux Mint」アイコンから本インストールに進めることができますが,今回はこれで暫く運用します。

出来上がったLinuxのDesktop画面を貼付します。






   4.注意点

Linux Mintを利用するにあたり、最初に何点か注意点があります。

①Windowsに不具合の可能性
 今回のUSBメモリを用いた旧型PCのLinux Mintリユース実証は,Linux Mintの簡易な評価方法の紹介です。場合によってはWindowsに不具合をもたらし,データ消失や起動不可となる恐れがあります。

試される場合は,データが消失しても良い廃棄前のパソコンを利用する事やWindowsを使わなくても復元できるバックアップを取得するなど,自己の責任でご検討ください。

②日本語化
 Linux Mintの設定は、左下隅のメニューを押して、左欄から「システムの設定」画面を開きます。「言語」アイコンを開いて設定を日本語にしてください。ただし、日本語言語パッケージが入っていませんので、一番下の言語サポートで日本語パッケージを追加してから行ってください。(見つけるのは大変です)

 加えて、キーボードが日本語仕様になってません。ハードウェア分類にあるキーボードアイコンを開きます。上部のレイアウトタブを押して後,日本語レイアウト欄で追加を押して有効なレイアウト(Japanese)を選択します。

 また、IMEが日本語入力になってません。これは入力方式のアイコンをクリックします。左側の日本語を押すとやり方が書いてあります。大切なことは入力方式フレームワークを「Fcitx」にすることと、「Fcitx」の設定画面で入力メソッドを「Mozc」にすることです。「Fcitx」の設定画面は右下のシステムトレイに出てくるはずです。

③文字が小さくて見えない
 文字が非常に小さいです。これは、「システムの設定」画面の中の「フォントの選択」画面から変更してください。開くとフォントの設定ができます。最低12ポくらいにしないと見えづらいです。

④スピーカーから音がでない。
 この問題を扱うサイトはインターネット上に沢山ありますが、どれもあまり上手く行きませんでした。特に,今回の実証機(Let's Note SX2J)はLinuxと相性が悪いようです。

そのため、LinuxのMixerである「alsamixer」のHeadphoneとSpeakerが、機器スピーカとスピーカJackを誤認するというバグが発生しています。原因はわかりませんが、LinuxのMixerである「alsamixer」のHeadphoneがミュートになっているとスピーカが鳴りません。

その対策としてターミナルから「alsactl init」と打つと解消されます。ただし、ヘッドホーンのジャックを差した状態から抜くと、音が出なくなります。この対策として、暫定策ですがスクリプトを作るしかないと思います。今回は長くなりますので、またの機会に作リ方を説明します。

⑤Linux Mintの終了処理
 Linux Mintを終了するには画面左下のメニュー(Mintアイコン)を開き、「シャットダウン (Shut Down)」をクリックします。

シャットダウンの途中で画面に英語で「USBメモリを抜いて、Enterキーを押してください」という指示(Please remove the installation medium, then press ENTER: など)が出ます。

体験モード(デモ)の場合は、通常,指示通りにUSBメモリをパソコンから引き抜き、キーボードの Enter キー を押すのですが,保存領域を作ったUSBメモリの場合は,エラーが出てなかなか終了しません。

そのため,USBメモリを差したまま終了してもよいかと思います。動作が遅いので気長に待ちますが,しばらくしても自動終了しない場合は強制遮断(電源off)します。

⑥レスポンスが非常に遅い
 検証用USBメモリで起動されたLinux Mintは,USBメモリをストレージとして利用するため動作が非常に遅いです。
Windowsのストレージを残したままで,Linux Mintを軽快に動作させたい場合は,Linux MintとWindowsのデュアルブート方式があります。
PC起動時に「Linux Mint」か「Winindows」を選択することが可能になります。
具体的な設定手順は以下の通りです。

 A.Windowsの事前準備
  1. 高速スタートアップを無効化する:Windowsの「コントロールパネル」>「電源オプション」>「電源ボタンの動作を選択する」から。設定を変更してチェックを外します。
  2. BitLockerを解除する:デバイスの暗号化が有効な場合は,コントロールパネルからBitLockerを一時的に無効にします。
  3. 空き容量の確保:スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」を開き,Cドライブの「ボリュームの縮小」からLinux用の空き領域(最低50GB〜推奨100GB以上)を「未割り当て」として作成します。
 B.Linux Mintのインストール
  1. 「USBメモリ」で起動したLinux Mintのデスクトップ上にある「Install Linux Mint」アイコンをダブルクリックします。
  2. 言語選択やキーボードレイアウト,マルチメディアコーデックを選択し,「インストールの種類」画面で「Linux Mintを併用可能な形でインストール」を選びます。なお,MBR記憶方式レガシーBIOSの場合は論理パーティションが既に4つあると,自動の選択肢が出ない時があります。その時は,画面一番下の 「それ以外」(手動パーティション)を選んで以下のようにインストールします。
  • パーティションの作成は一覧から先ほど作った「空き領域(free space)」を探して選択し,左下の「+」ボタンを押します。
  • サイズはそのまま(全容量)です。
  • 新しいパーティションのタイプは論理パーティション(Logical)です。(4つの制限を回避)
  • 利用方法はExt4ジャーナリングファイルシステムを選択します。
  • マウントポイントは / (半角スラッシュ)のみ入力します。
  • 「OK」を押します。
  • ブートローダーの設置先を確認:画面下部にある「ブートローダーをインストールするデバイス」で,Cドライブが入っているディスク全体(例:/dev/sda や /dev/sdb ※末尾に数字がつかないもの) が選択されていることを確認します。
  • 「インストール」ボタンを押し,確認画面が出たらそのまま進めます。
  3.インストールが完了したらPCを再起動します。(USBメモリは外します。)

 C.デュアルブート起動時の注意点
 
 再起動するとOS(Linux Mint またはWindows)を選択できるGRUB(ブートローダ)メニューが表示されるはずですが,表示されずにLinux Mintが立ち上がる場合があります。

 その場合は以下のように設定ファイルの内容を変えてください。

  1.Linux Mintのデスクトップ画面で左下メニューから端末(ターミナル)を開きます。
以下のコマンドをコピーして端末に貼り付け、[Enter] キーを押します。

LINUXコード

sudo nano /etc/default/grub

※Linux Mintのログインパスワードを入力してください。

  2.編集画面が開いたら該当する行を書き換えます。
   1箇所目:
    変更前:GRUB_TIMEOUT_STYLE=hidden
    変更後:GRUB_TIMEOUT_STYLE=menu
   2箇所目:
    変更前:GRUB_TIMEOUT=0 (または 0 以外の数値)
         変更後:GRUB_TIMEOUT=30

   Nanoエディターは次のようにしてファイルを保存し閉じます。

    キーボードの [Ctrl] + [O] を同時に押します。
    [Enter] キーを押して保存します。
    キーボードの [Ctrl] + [X] を同時に押して、編集画面を閉じます。

  3.以下のコマンドを実行して設定を有効にします。
   端末に以下のコマンドを入力し、[Enter] キーを押します。

LINUXコード

sudo update-grub

  処理が完了したら、端末を閉じます。

 D.PCの再起動

  GRUB(ブートローダ)メニュー確認してください。

以上、基本的な注意事項を申し上げました。




   5.まとめ

今回は,Windows11に使えなくなったPCの再利用方法について記述しました。

PCを家電と考えている方には参考にならないかもしれませんが,十分動くPCを廃棄するというのはもったいないと感じます。

当面,Linuxとしての利用価値などを調査し,linux Mintに変更しても問題ないと判断した段階で,本格的にインストールします。

また、今回の実証でソフトが如何に重要であるかを実感しました。昔はハードが主でソフトが従でしたが,今はソフトが主でハードが従になっています。
現状,デフォルトでは日本のハードは動きません。日本語にしても自分で言語パッケージを一生懸命探してインストールしないといけません。

これからの日本のモノづくりは世界中にあるソフトに精通して作らないと通用しないと思い知らされました。

Windows11として使えなくなったPCの利用方法には,Linux化以外にもChromeBook化もあります。サクサク動くと聞きますが,みなさんもいろいろ試してみてください。


それでは,楽しいITリテラシーライフをお過ごしください。


 (ご注意)情報の正確性を期していますが,実施される場合には自己責任でお願いします。

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