2025年1月26日

GoogleBloggerブログサイトを利用する上で最低限認識しておくこと(実証試験から)


生口島にある未来心の丘
生口島にある未来心の丘  
  


Windowsパソコン環境の整理に併せて,「GoogleBlogger」のブログドメインの変更を行ったところ,これまで蓄積してきた検索エンジンのIindex登録が消失しました。

この経験を基に,「GoogleBlogger(以下,Bloggerという)」で新しくブログを始める方の参考となるよう,これまでの知見について投稿することにしました。

ブログを始めるには大きく分けて,個人でサーバとドメインを用意し「WordPress」などのソフトを活用して始める方法と,無料のブログプラットフォームサービスを活用して始める方法の2つがあると思います。

自分でサーバやドメインを用意するのは費用が掛かりますし,インフラを勉強するのにも時間がかかる等の理由で閾値が高く,無料のブログサービスを使う方も多いことでしょう。

Googleが運営するブログプラットフォームサービスの「Blogger」もその一つです。無料で使え広告表示義務もない事からこのサービスを使う人も結構多いと思います。

しかし,無料のサイトであるが故に,良い点もあれば注意すべき点も多々あるのが実態です。

今回,カスタムドメインの適用で2年に亘るインデックス登録作業が水の泡となりましたので参考として投稿します。

それでは説明を始めます。





  1.Bloggerの良い点


Bloggerを採用する上で良い点は,無料であり広告などの表示義務がない事です。しかも,無料でドメインとSSLが使えるので,ドメインやSSLなどの取得に費用がかかりません。

但し,基本ドメインは「blogspot.com」になります。ブログのサブアドレスを「XXX」にすると,「XXX.blogspot.com」というのがブログアドレスになります。

このブログアドレスで公開すると,検索エンジンが「XXX.blogspot.com」と認識しますが,このアドレスは検索エンジンの有用性判断であまりいい評価をされてないようです。

実証的に当サイトでやってみましたが,Google等の検索エンジンではあまりindex化されませんでした。とはいっても検索エンジン「bing等」では少し評価して頂けました。

ご存じのとおり,Google,bing,yahooといった検索エンジンはインターネット上を徘徊し,公開サイトを見つけてクローリングします。

※クローリングとは、プログラム(クローラー)を使ってWebサイトを巡回し、Webページの情報などを収集・保存する手法です。

そのクローリングによって,インターネット検索エンジン上にインデックス化され,皆さんがインデックスされた情報を検索すると,その検索情報が広告やアフリエイトに活用され市場を形成するという仕組みです。

ここで重要なことは,クローリングされても,どのような情報をインデックス化するかは検索エンジン側の判断になるということです。有用性が無いとか,悪意があるとか,公序良俗に反するなどのサイトはインデックス化されません。

このインデックス化というのは大きな課題で,そのインデックスが消滅すると,サイトへのアクセス機会が失われビジネスに大きな影響を与える事になります。

そのため,検索エンジンのインデックスは極力消滅させないようにするということが大切です。そういった意味で,検索エンジンがインターネットビジネスの鍵を握っていると言っても過言ではありません。

あらためて,Bloggerブログプラットフォームサービスの良い点は以下のとおりです。

【良い点】
 ・無料で使えて広告表示義務などが無く,収益化も図れる
 ・ドメイン及びSSLなどの暗号化機能が標準提供される
 ・Googleアプリとの親和性が高い
 ・複数の人で投稿できる。

独自ドメインやSSLの取得には費用がかかりますので,ドメインやSSLが無料というのはありがたいことだと思います。

しかし,ここでのBloggerのブログドメインは,「blogspot.com」というドメインになり,独自性・独創性という観点では,有用性に欠けると検索エンジンに判断される可能性があります。

また,Bloggerには,ドメインでの301リダイレクト機能があると断言できません。そのため,最初から独自性のあるカスタムドメインを使った方がいいという判断もあります。

※301リダイレクトとは:SEO評価を引き継いで別のURLへ転送させるリダイレクト機能です。

独自ドメインの取得には費用がかかるし,DNSの設定が面倒だと言われるかも知れませんが,年間数千円の出費ですので将来ドメインを変更するくらいなら,最初から独自ドメインでカスタムする方が後々得策のような気がします。




  2.Bloggerを使うに当たって認識しておくべき注意点


さて,ここでBloggerを使う上で認識しておくべき注意点ですが,これは沢山あります。Bloggerの設定内容まで踏み込むとさらに増えますので,後々後悔しないことに絞って最低限自覚すべき注意点についてお話しします。

具体的には,以下のとおり10項目に絞りました。各々について説明していきます。

注意点
 ①Bloggerでは,「.htaccess」等のディレクトリ制御機能が使えない
  • 独自サーバで「Apache2」などを使う場合は,「conf制御」ファイルや「.htaccess」ファイルでディレクトリ制御できますが,Bloggerは使えません

 ②「blogspot.com」が提供されるドメインになる
  • Blogger全ての基本ドメインは「blogspot.com」となりますから,独自性や独創性がなく有用性の低いサイトとみなされる可能性があります。(実証した個人的な感想ですが,独自ドメインよりインデックス化やファビコン設定で明らかに差が感じられました。)

 ③途中でドメインを変更する場合,301リダイレクト機能の設定が出来ない
  • これは①と絡みますが,Bloggerには301リダイレクトを設定する処がありません
  • なお,Bloggerは設定によって,ブログドメインからカスタムドメインへのリダイレクト,ドメインにサブドメイン(wwwやblogなど)を付けるリダイレクト,パーマリンク変更時のカスタムリダイレクトを実行できます。(有効になるのに時間が必要)
  • しかし,httpヘッダーステータスコードが301(恒久的)かどうかは分かりません。

 ④Google提供サービスのため,他社の検索エンジンインデックス化に不安があります。
  • Bloggerは,Googleが提供するサービスで,その仕様が他社の検索エンジンにも通用するかは定かでありません。
  • 例えばBloggerで作ったファビコンは,GoogleやYahooの検索エンジン結果には表示されますが,bing検索エンジンの検索結果には表示されないことが多いです
  • また,bingでは新しい概念として「IndexNow」という新しいクローラー方式を推奨していますが,Bloggerにはサポートされてません。

 ⑤タグやJavascriptがBlogger独自仕様で使い方を覚える必要があります。
  • タグjavascriptの内容が独自仕様で,「パンくずリスト」の構築などで独自仕様でコーディングする必要があります。 

 ⑥エディターが使いにくく,ブログの表現方法が限られます。
  • エディターの提供機能が乏しく,多様な表現はできません。

 ⑦Wordpressのようにいろいろなアドインが使えません。
  • これは⑤とも絡みますが,使えるアドインが無いので新たにガジェットをコーディングして独自に作る必要があります。

 ⑧スマホではURLに「?m=1」という文字が付加されリダイレクトされます。
  • WebページはPCでもスマホでも表示できるレスポンシブコーディングが一般的です。しかし,Bloggerのテーマは何故か,デバイスがスマホを検知するとURLの最後に「?m=1」という文字を付けてリダイレクトします。
  • また,Google検索エンジンのクローラーも「モバイルファースト」という宣言のもと,「?m=1」が付いたURLサイトのインデックス化を優先します。このURLでPCを表示させると,表示イメージがスマホ形式となりPCでの表示構成が悪くなります。
  • ?m=1」付URLはGoogle検索エンジンのインデックスに登録され,ブログテーマ内の<head>~</head>間に入れた<link rel="canonical" href="正規URL” rel="canonical">というタグ文を検索エンジンが認識して初めて,インデックスが正規のURLに変わります。時間がかかります。

 ⑨投稿はパーマリンクできますが,ページは自動的に訳の分からない記号名になります。
  • Bloggerにもページの概念がありますが,ページ名はタイトルから自動的に編集されます。そのため,とっても分かりにくくなります。テクニックとして,最初に希望するページのサイト名(英数表記)で作成してから,タイトルを変えるなど面倒な作業が増えます。

 ⑩ファビコン設定は,100KB未満で正方形のpng画像を登録するのが良いです。
  • ドメイン取得に伴い,ファビコンを設置すると思いますが,Bloggerの場合は,png形式で100KB未満・正方形のイメージファイルを登録するのが良いです。(実証結果)
  • 実証では,ブログテーマ内の<head>~</head>間に,<link href="https://サイトURL/favicon.ico" rel="icon" type="image/x-icon">を挿入することで,GoogleとYahooの検索エンジン結果にファビコンが表示されました。
  • しかし,bing検索エンジン結果には何をやってもファビコンが表示されませんでした。マルチファビコンも,ファビコンチェックも,<link rel="icon">文にあらゆる形式のイメージファイルを加えても駄目でした。著作権の絡みから機械的に自動キャッシュしないようにしているのかもしれません。
  • 残る手立てとして,Bing Webmaster Toolsから保守サポートに相談する方法があります。Bing Webmaster Tools右上の「」アイコンから「Bing Web マスターのサポート」ー>「raise support request」をクリックし,サポートフォームに入力します。但し,英語で入力する必要がありますのでご注意ください。

加えて,Bloggerサービスはいつまで使えるか分かりません。これまでもいろいろ噂がありましたが,今の処終了予告された事実はないようです。

このようにBloggerは注意事項が多く,ドメインについては特に基本ドメインである「blogspot.com」を使っておくと,検索エンジンが基本ドメインでIndex化するので,ドメインを途中で変える際,サイトの信用を棄損する懸念が発生します。

Bloggerを採用する場合には,これらのことを自覚しておくことが望ましいです。




  3.Bloggerと検索エンジンとの相性と将来性


Bloggerでブログを開設するにあたり,検索エンジンとの相性でいうとGoogle,Yahoo,bingでそれ程大差ないというのが実証結果です。

但し,検索エンジンの特性からいうと,GoogleとYahooはBtoC系に強い傾向があり,bingはBtoB系に強い傾向があるように見えます。

Bloggerは,どちらかというと日記や旅行・ファッション・料理などの領域から発展してきたと思われることから,GoogleやYahooに親和性があるように感じられますが,そんなに大差はないでしょう。

それより問題は,AI時代を迎え,Bloggerがこれからの検索エンジンに追従していけるのかが心配です。GoogleもBloggerにあまり力を入れている様子がないので,将来が心配と考えます。

例えば,bingの「IndexNow」などの新しいクローラーの概念は,WordPressなどではアドインを導入することで対応できるようにしていますが,Bloggerではありません。

アドインも出来ず,かつ独自仕様でレスポンシブコーディングにも対応していない。「パンくずリストに至っては自作する必要がある」では,将来的に心配と言わざるを得ません。

そういったことを念頭にBloggerを使っていくことが大切と考えます。




  4.ブログサイトとシステム構成の関係


さて,少しBloggerとは離れて,ブログサイトとシステム構成について述べます。

一般的にブログを作る際,最初にどんなブログを作成するかテーマを決めると思います。例えば,日記とか,旅行とか,趣味とかです。

また,サイトから収益を得るのかどうかも重要になってきます。広告収入,アフリエイト収入,販売,コンサルなどで使う場合です,

例えば,広告収入を得たいと考えるのであれば,相当数のアクセスがないと広告サイトとして成り立ちません。例えばGoogleアドセンスに申し込んでみればよく分かります。月のアクセス数が数百や数千では,ほとんど有用性がないと評価されます。

また,ブログのテーマも重要で,一日に数通投稿することが出来,かつ数分で読める話題性のあるテーマでなければ広告を掲載するサイトとしてアクセスを得る事は難しいでしょう。

当サイトなどは,実証するのに長い時にはひと月以上を要します。内容も特殊で利用者も限定されますからアクセス数も多くは望めません。アフリエイト或いはソフトの宣伝・販売・相談くらいが精々といったところです。

そういった特性を分析して,ブログサイトの構成を考えることが重要だとこれまでの実証を通して痛感しました。

ブログテーマは何か,収益をあげるのか,上げるのならばどんな手法で上げるのか,そのために必要なシステム構成(サーバ,ソフト,検索エンジン,バックリンク)はどうするのかを考えなければなりません。

また,アクセス数が少ないと検索エンジンは有用性のないサイトと認識してインデックス化もしてくれません。

インデックス化されないとアクセス数が稼げませんから,このアクセス数とインデックス化の関係構築には時間がかかることになります。

大切なことはやりたいことの特徴を踏まえつつ,ブログソフトと検索エンジンの特性も考慮して最適なシステム構成を考えることです。




  5.まとめ


Bloggerは,無料で使えて広告表示義務などが無く,ドメインもSSLも無償提供されるブログソフトです。

しかし,採用に当たっては,Bloggerの注意点から以下の点に考慮が必要です。

  • 将来独自ドメインを採用するのなら最初からカスタムドメインを採用。
  • 検索エンジン(IndexNow)等の新技術に対応必須ならばWordPress等を検討。
  • Bloggerはレスポンシブコーディングでないので今後支障ないかを検討。
  • アドインが使えないが今後継続できるかを検討。
  • タグやJavascriptが独自仕様だが今後継続できるかを検討。

以上の考慮が最低限必要と考えます。なお,bingの検索エンジン検索結果にFaviconが表示されない件は原因が定かでなく,保守サポートへの問い合わせで表示できるようであれば考慮の必要はないと考えます。

今回は,これまでBloggerを使った知見から,利用に際し注意しなけれはならない事項についてお伝えしました。

コーディングの楽しさのない投稿になりましたが,大切なことなのでご容赦ください。


以上,参考になれば幸いです。


それでは,楽しいITリテラシーライフをお過ごしください。



(ご注意)情報の正確性を期していますが,実施される場合には自己責任でお願いします。


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